2011年6月28日火曜日

ラパス地すべり災害、現在の避難所

ラパスの雨季には土砂災害が付き物だ。これまで毎年、雨による地盤の
緩みで土砂災害が発生し、10世帯ほどの家族が家を失ってきた。
土砂崩れが起きるような場所には家を建ててはならないと、行政が指導して
いるのだが、そんな事には耳を貸さず、家が建てられている現状が今でもある。

2011年2月26日、これまでで最大の土砂崩れが発生した。影響を受けた家族
800、総勢6000人もの難民をだす大災害となった。ただ、幸いな事に死者は
1人もいなかった。

この事態に何か出来る事はないかと、JICAボリビア事務所に「支援活動」
について問い合わせたところ、JICAボリビアが何かをする事は無いとの
返答だった。ただ、個人的にボランティアが中心となって支援をする事は
問題ないので、やってもいいとの事で、何が出来るか考えてみた。

だが、考えてみても、この異国の地で、自分の活動を犠牲にせずに、
被災者のためにボランティアをするのはとても難しいと感じたので、
ありきたりではあるけれども、義援金を募り物資を買うことにした。
JICAボリビアにお願いして、現地職員や調整員、ボランティアに義援金の
お願いをしたところ、総額2000ドルが集まった。

この時、災害支援に当たっていた保健局に務めるボランティアがおり、
その職場を通して支援を行う事になった。最初は定期的に食料を購入し、
支援に当たっていたのだが、市の援助体制が整ってきたら食料は不要となり、
また別の支援を考える必要性が出てきた。

今回の支援活動で色々と学んだ。6000人もの避難者を出すような
災害では2000ドルというのは非常に少額で、ほとんど役に立たない。
これは自己満足の支援なのじゃないかと自問自答する事が多かった。
また、20箇所ほどある避難所のうち4箇所しか視野に入れられず、
平等とは程遠い支援となった。きっと皆が満足できるような支援の
仕方など存在しないのかもしれないが、支援者からお金を預かる
立場となった今回は、少々頭を悩ました。

災害から4ヶ月、また避難所に様子を見に行ってきた。前に訪れた時は、
テント生活だったが、少しずつ生活改善がされているようで、
木造の仮設住宅が建てられている所だった。ただ、木造といっても、
板一枚のプレハブ小屋のような感じで、とてもラパスの冬を過ごすには
寒すぎるだろうと思うような物だった。しかも、1つの仮設住宅に
2家族が入ってるそうで、まだまだこれからが大変なんだなと
感じずにはいられなかった。


仮設住宅。


がけ崩れの地域へはJICAから立ち入り禁止命令が出ており、
以下の撮影は同行してもらったボリビア人に頼んでお願いしました。

がけ崩れの中心から見て右


がけ崩れの中心から見て左


がけ崩れ中心から見て正面
よくわからないかもしれませんが、整地されている部分には
元々たくさんの家がありました。

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