2012年1月26日木曜日

職場での正式な扱い

ボランティアというものは常々、誰かに求められた所へ行くものと思っていた。
しかしながら、私の場合非常に微妙な立場にある。

JICAと活動先が結ぶ契約書が存在する。内容を見ると活動先がベースを作っていると思われる。
その契約書の中に気になる言葉が。Pasantía. 調べてみると見習いとかインターンシップとか
そんな意味らしい。えっと、インターンシップ?現地の知り合いに聞いてみると、経験のために
ただ働きする人ってことだとか。日本での意味合いそのまま。。。

1年10ヶ月の中で、確かに周囲を巻き込んで職場改善!なんて事はなく、
ただ黙々と上から命令された仕事をこなす勤務員の一員としてここにいた。

契約書の中にPasantíaには1年半の間バケーションが無いなんて書いてある。
1年半を過ぎれば20日の休暇の権利が与えられる。
実際にはそれほどキツイ縛りは無く、何日も体調不良で休んではいる。
しかし、日本人だからだろうが、Pasantíaという立場上、他の人が働いている時に
休みは取りにくく結局のところ長期休暇の申請はこれまでしていない。

部署のトップ以外にとって私はお客さんのようで、だいたいは私の仕事の内容や
作業の進み具合などには興味は無く、日本からきた珍しい話をしてくれる人、
ぐらいに思われている。イベント事は何でもよく誘われ、特にフットサルは
もうコアメンバーの一人となっている。

ザ・協力隊的な活動はなかなか出来ずとも、こちらでの生活はなかなか楽しい。
職場を出れば自由な時間がかなりあり、自分の好きなように使える。
他の隊員と語り合うもよし、現地人と飲み明かすもよし、踊りまくってもよし、
研究するもよし、勉強するもよし、家でボケッとするもよし、自由!

日本で時間に追われる生活をしていた人にとっては、信じられないほど
たくさんの時間がある。やりたかった事がある人にとっては、
新しい事を始めて、それを好きなだけ極める時間がある。
ある人は楽器を、ある人は踊りを、ある人は言語を、なんでもあり。

例え、職場での扱いがショボショボであったとしても、それがすべてではなく、
自分の工夫次第で、生活はいくらでも変化する。これらは視点の持ち方次第。
活動先で上手くいかないからと、他に生活のベースを移すのを「逃げ」だと
考える人もいる。しかし、他の視点からは「開拓」と取れる。

実際、隊員は好き勝手な主張ができる。それを制限する壁は低い。
自分を正当化しなければとても辛くなることもある。答えが無いこともある。

ただ、生きることに一生懸命である間は、光明も一緒についてくると思っている。

2012年1月22日日曜日

ハグミー、ハグハグハグハグ

シャイな私がボリビアで最初は抵抗あったけど、今では慣れた事、
それは女性との出会いと別れの挨拶。

「郷に入っては郷に従え」とよく言いますが、確かにこの挨拶の時の
顔を合わせる動作にもシチュエーションによって色々違いがあるのを
知る事ができた。

1年を過ぎると、顔なじみも増える。カリーニョ(親愛?)を持って接する
人たちがたくさんになる。そうするとこれまでほっぺたベソ(チュ)が
ノーマルだったのが、ベソ→ハグ→ベソのパターンになる。
ちなみに男も、握手→ハグ又は肩を叩き合う→握手になる。
毎日顔を合わせてる仕事の仲間とはそこまではしないのだが、
週明けとかはやったりする。

最近、このハグに慣れてしまって、日本人にもしてしまいそうになる。
あ、ちなみに、相手が自分みたいに慣れ慣れだとそういう挨拶します。
でも、不思議なもので、そういう習慣が無いところで知り合った人は
2年近くボリビアに一緒にいながら、一度も南米流の挨拶をしたことがない。

日本でながらく、女性に触れる事すら抵抗があった自分にとって、
(あ、KTCでは少しハグらせてもらったが)南米に来てからの変化は
かなり大きい。

日本に帰って同じ挨拶したら、セクハラおやじとして叩かれるんだろうなぁ。。。

2012年1月21日土曜日

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2012年1月18日水曜日

2年間、ただ暮らすだけで語学は伸びるのか

答えはNO。協力隊員は様々、語学の伸びも様々。

語学の才能に溢れる人もいて、自分とは出来が違うと肌で感じる事もある。
ただ、語学ができると言われている人は、それだけ語学に費やしている時間も多い。
努力を惜しまない、というより、普段の生活の中に語学を使う機会を組み込んでいる。

毎日家でNHKを見て、他ボランティアと日本語を話していれば、
毎日ローカル番組を見て、現地人と会話している人との差は少しずつ開いていく。

でも、NHKを見たり、日本語を話したりする事自体はそれほど問題ないかもしれない。
ボリビア隊員の中でずば抜けた語学の能力を持ってた人は、日本人の恋人がいた。
問題はきっと生活の中に現地語をどれだけ組み込むのかだろう。
そして、そういった意識をどれだけ保てるのか、それが難しいところ。

自分の語学能力を測るのは難しいが、たぶん真ん中ぐらいだと思う。
英語能力がある分、他の隊員よりスペイン語を学ぶアドバンテージはある。
たまに「英語ができるから」と他の隊員に線引きをされてしまう。

語学の能力とはきっと頭の良さにはそれほど関係ないものなのかもしれない。
物事を順序良く分かりやすく説明したり、面白い事を言ったりするのは別の能力で、
単純に言葉をしゃべる事自体は皆大差なく学べる事なのではと思う。

高校受験時には250点しかなくて志望校にいけず、大学受験時には受ける大学がなく、
海外に逃げて、そこから少しずつ積み立てて、英語を学び、コンピューターを学んだ。
積み重ねのおかげで、仕事にも就くことができたし、協力隊に来ることもできた。

頭がいいとかではなく、毎日の小さな積み重ね、環境作りへの努力が、
語学の伸びに関与してくるものだと感じてならない。

2012年1月3日火曜日

習慣という大きな壁

青年海外協力隊で派遣されて、現地で結構な数の隊員が直面する問題がある。
その国の習慣、豊かになりたいと願うのに、現状を変える努力はしない。
目標を立て、スケジュールを管理し、その成果を評価するなど、
日本では結構普通な事が行われない。組織の下になればなるほど。

隊員は、学校や保健所など、ある種の組織に配属される。そしてしばらく
働いていると、気がつくのである。本気でこの現状を打破し、レベルを
確実に上げるためには、1つの学校でちまちまやってても何も変わらない。
もっと組織の上の方で抜本的な事が変わらないと、良くなることは無い。

気がついたときに選択肢ができる。その点は割り切って今の活動先の仲間と
仲良く2年間を過ごすのか、絶望したまま2年間を過ごすのか、もっと上の
所から改善させようと動くのか、活動以外に道を開くのか。

ちなみにボリビアの公立校では、先生が来ない、ボランティアに任せて
帰ってしまうなど、日本では考えられない事が普通にあるらしい。
習慣とは怖いもので、だからと言って学校で大きな問題として
取り上げられることもない。ボリビアの学校とはそういうものだから。
こんな事を国から無くさせるためには何ができるのか。その先生を
注意したところで、ボランティアは権限が無いから相手にされない。
もし、一人の先生を何とか改心させたとしても、他の先生が感化される事はない。
やはり、組織的にトップダウンで意識改革を迫るしかない、と言うのが現実的。

習慣、それは時に協力隊の活動を妨げる大きな原因となる。時間にルーズで、
期限を守らない、約束は守らない、上辺の返事ばかり、面倒事を押し付ける。
JICAはいつお金をくれるんだと言われたり、お金が下りないと分かってしまうと
話しかけてこなくなるなんて事も。

悪い習慣だと分かっていても、それを変えさせるのは困難。そしていつしか、
自分を相手に合わせるようになる。そうしないとストレスで頭が壊れる。
ある程度の悪い習慣を取り入れつつ、自分のやりたい事を広げていく。
そういった落しどころをみんな作っていく。

前のエントリーに匿名で、

「何か成果として残せなければ協力隊員として恥ずかしい生き方」
という旨のコメントをしていただいた。
社会人経験の無い協力隊隊員のその後

成果とは何か、自分が置かれている環境の中で、どれぐらいの事を達成すれば
100%の人に認めてもらえるのか、それは第三者の評価機関がなければ
語るのにはあまり意味が無い。何故なら人によって価値が変わってくるから。

協力隊の中には、最初からプロジェクトの中で活動を期待される人もいれば、
配属先機関から何も期待されず、相手にされず、何もする事がないマイナスの
状態からスタートする人もいる。残す成果もまったく違ってくる。

派遣先特有の習慣の壁をどのように見るか、どのように感じるか、
どのように対応するか、それはそれぞれの隊員の活動に大きな影響を及ぼす。

時に思うのは、現地の人たちからどれだけ好きになってもらえたか、
それがある意味一番の成果となるのかもしれない。

2012年1月2日月曜日

青年海外協力隊事業への提案

ボランティア事業を展開している青年海外協力隊。
毎年たくさんの税金が注ぎ込まれている。

昔は手書きで報告書を提出したのだろうが、時代が変わって
今はインターネットから投稿するようになった。IT化の流れにより、
より隊員の管理等、便利になった事もたくさんあるのではないかと思う。

青年海外協力隊の隊員が世界中に散らばって、いったいどんな事をして
その国の役にたっているのか、ほとんどの人は知らないだろうと思う。
雑誌を出版し広報に勤めているようだが、ほんの一握りの選ばれた人しか、
出てくることはない。

これだけインターネットが普及し、情報の共有化が簡単になったのだから、
JICAは隊員の活動をもう少し透明化してはどうかと思う。何か提案すると、
すぐ「予算が」と言って取り合ってくれないが、やり方によっては
それほどお金がかかるわけではない。(大企業にコンサルとシステム構築を
依頼しているだろうから、ちょっとした仕様追加でもとんでもない
金額を請求されるのかもしれないが)

具体的には、まず全ての隊員が今現在何を行っているのか、数行で書いたものを
リスト化してWEBに載せてはどうだろうかと思う。難しく書く必要は無く、
調整員が月1度、隊員から何をしているか聞いて載せる。調整員の仕事が
増えるだろうが、それほど大変な作業だとは思わない。むしろ、そういった事を
書くことで隊員もビジョンができやすく、身も引き締まるのではないか。
またタイムリーに事象を扱うことで、協力隊事業に興味のある人はより
身近に感じる事ができるだろう。

そして、全体を通してみる事ができれば、協力隊の活動はどういった
トレンドがあるのか、各国によって求められるものが変わるのかなど、
面白い発見ができるかもしれない。

ちなみにこれまで、派遣が決まった隊員全員に対してOBになっても使える
メールアドレスを発行してはどうかと提案したことがあるが、答えはNO。

協力隊員が国を超えて横つながりで活動のコミュニケーションができるように、
そして、それを自分の活動に生かせるように、隊員のSNSを作ってはどうかと
提案した事もあったが、NO。

きっと何を提案しても、ダメだろうなという、閉塞感が漂う。
テクノロジーを使えばもっといろいろできるのにね。

2012年1月1日日曜日

世界人口70億人、地球最大の問題

2011年は人口増加問題の節目となった。70億人突破。
National Geographic 70億人の地球

人口問題、単純に言うと「作物が人数分確保できない」事。

人口増加は主に途上国、もともと食料が確保できていない国がほとんど。
そのため、人口増加は更なる貧困を招く事になる。

単なる貧困問題を前に様々な団体が援助を行う。
辛うじて生きながらえる途上国の人々。
そして、10人の子供が生まれる。
貧しさから働かされる子供。

これまで長い間援助団体が働いてきて、赤ちゃんや子供の死亡率を下げ、
飢餓を減らす事はできたかもしれないが、人口増加に関してはなす術なし。

ちなみに、人口問題については、山本敏晴さんのブログで勉強させてもらってる。
人口増加問題、そして資源の枯渇の確認 2,483字

日本では既に計画出産が当たり前、生涯に何人の子供を生むのか決めている人が多い。
ボリビアの田舎なんかでは、生まれるだけ生まれてくる。

近年、小麦の価格が上がると言われている。ベーシックな食品は全てそのようになる。
コーヒー豆も需要が増え、価格が上昇している。嗜好品もじわじわ上がるだろう。
国内で穀物生産がほとんどできていない日本は今後この問題に大きく直面する。

人口増加問題は必ず起こる未来。100%やってくる。
途上国の貧困層が現在のように我々をカバーしてくれたままにはならない。
日本人として、よく考えなければならない。

国の人口順リスト