青年海外協力隊で派遣されて、現地で結構な数の隊員が直面する問題がある。
その国の習慣、豊かになりたいと願うのに、現状を変える努力はしない。
目標を立て、スケジュールを管理し、その成果を評価するなど、
日本では結構普通な事が行われない。組織の下になればなるほど。
隊員は、学校や保健所など、ある種の組織に配属される。そしてしばらく
働いていると、気がつくのである。本気でこの現状を打破し、レベルを
確実に上げるためには、1つの学校でちまちまやってても何も変わらない。
もっと組織の上の方で抜本的な事が変わらないと、良くなることは無い。
気がついたときに選択肢ができる。その点は割り切って今の活動先の仲間と
仲良く2年間を過ごすのか、絶望したまま2年間を過ごすのか、もっと上の
所から改善させようと動くのか、活動以外に道を開くのか。
ちなみにボリビアの公立校では、先生が来ない、ボランティアに任せて
帰ってしまうなど、日本では考えられない事が普通にあるらしい。
習慣とは怖いもので、だからと言って学校で大きな問題として
取り上げられることもない。ボリビアの学校とはそういうものだから。
こんな事を国から無くさせるためには何ができるのか。その先生を
注意したところで、ボランティアは権限が無いから相手にされない。
もし、一人の先生を何とか改心させたとしても、他の先生が感化される事はない。
やはり、組織的にトップダウンで意識改革を迫るしかない、と言うのが現実的。
習慣、それは時に協力隊の活動を妨げる大きな原因となる。時間にルーズで、
期限を守らない、約束は守らない、上辺の返事ばかり、面倒事を押し付ける。
JICAはいつお金をくれるんだと言われたり、お金が下りないと分かってしまうと
話しかけてこなくなるなんて事も。
悪い習慣だと分かっていても、それを変えさせるのは困難。そしていつしか、
自分を相手に合わせるようになる。そうしないとストレスで頭が壊れる。
ある程度の悪い習慣を取り入れつつ、自分のやりたい事を広げていく。
そういった落しどころをみんな作っていく。
前のエントリーに匿名で、
「何か成果として残せなければ協力隊員として恥ずかしい生き方」
という旨のコメントをしていただいた。
社会人経験の無い協力隊隊員のその後
成果とは何か、自分が置かれている環境の中で、どれぐらいの事を達成すれば
100%の人に認めてもらえるのか、それは第三者の評価機関がなければ
語るのにはあまり意味が無い。何故なら人によって価値が変わってくるから。
協力隊の中には、最初からプロジェクトの中で活動を期待される人もいれば、
配属先機関から何も期待されず、相手にされず、何もする事がないマイナスの
状態からスタートする人もいる。残す成果もまったく違ってくる。
派遣先特有の習慣の壁をどのように見るか、どのように感じるか、
どのように対応するか、それはそれぞれの隊員の活動に大きな影響を及ぼす。
時に思うのは、現地の人たちからどれだけ好きになってもらえたか、
それがある意味一番の成果となるのかもしれない。
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