2012年1月3日火曜日

習慣という大きな壁

青年海外協力隊で派遣されて、現地で結構な数の隊員が直面する問題がある。
その国の習慣、豊かになりたいと願うのに、現状を変える努力はしない。
目標を立て、スケジュールを管理し、その成果を評価するなど、
日本では結構普通な事が行われない。組織の下になればなるほど。

隊員は、学校や保健所など、ある種の組織に配属される。そしてしばらく
働いていると、気がつくのである。本気でこの現状を打破し、レベルを
確実に上げるためには、1つの学校でちまちまやってても何も変わらない。
もっと組織の上の方で抜本的な事が変わらないと、良くなることは無い。

気がついたときに選択肢ができる。その点は割り切って今の活動先の仲間と
仲良く2年間を過ごすのか、絶望したまま2年間を過ごすのか、もっと上の
所から改善させようと動くのか、活動以外に道を開くのか。

ちなみにボリビアの公立校では、先生が来ない、ボランティアに任せて
帰ってしまうなど、日本では考えられない事が普通にあるらしい。
習慣とは怖いもので、だからと言って学校で大きな問題として
取り上げられることもない。ボリビアの学校とはそういうものだから。
こんな事を国から無くさせるためには何ができるのか。その先生を
注意したところで、ボランティアは権限が無いから相手にされない。
もし、一人の先生を何とか改心させたとしても、他の先生が感化される事はない。
やはり、組織的にトップダウンで意識改革を迫るしかない、と言うのが現実的。

習慣、それは時に協力隊の活動を妨げる大きな原因となる。時間にルーズで、
期限を守らない、約束は守らない、上辺の返事ばかり、面倒事を押し付ける。
JICAはいつお金をくれるんだと言われたり、お金が下りないと分かってしまうと
話しかけてこなくなるなんて事も。

悪い習慣だと分かっていても、それを変えさせるのは困難。そしていつしか、
自分を相手に合わせるようになる。そうしないとストレスで頭が壊れる。
ある程度の悪い習慣を取り入れつつ、自分のやりたい事を広げていく。
そういった落しどころをみんな作っていく。

前のエントリーに匿名で、

「何か成果として残せなければ協力隊員として恥ずかしい生き方」
という旨のコメントをしていただいた。
社会人経験の無い協力隊隊員のその後

成果とは何か、自分が置かれている環境の中で、どれぐらいの事を達成すれば
100%の人に認めてもらえるのか、それは第三者の評価機関がなければ
語るのにはあまり意味が無い。何故なら人によって価値が変わってくるから。

協力隊の中には、最初からプロジェクトの中で活動を期待される人もいれば、
配属先機関から何も期待されず、相手にされず、何もする事がないマイナスの
状態からスタートする人もいる。残す成果もまったく違ってくる。

派遣先特有の習慣の壁をどのように見るか、どのように感じるか、
どのように対応するか、それはそれぞれの隊員の活動に大きな影響を及ぼす。

時に思うのは、現地の人たちからどれだけ好きになってもらえたか、
それがある意味一番の成果となるのかもしれない。

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