国立統計院はボリビア全土の様々な分野における統計を扱っている。
全体で400人ほどがコアで働いている、ボリビアでは大きな機関である。
ある種のリサーチをする時は、大量のアルバイトを雇用する。
その機関のテクニコ、すなわち技術部に私は席を置いている。
そこで、ほぼ何でも屋的な事をやっていたのだが、今は何もしていない。
毎日来ては、自分の席でただ一日が過ぎるのを待つ日々が続いている。
残り丁度3ヶ月、どう行動していくのか、考えなければならない。
配属された当初、部署のトップが私のカウンターパートだった。
彼にこれまで仕事でしてきた事のリスト、履歴書の様な物を求められ、
それを元に私がここで何をするのかを決めるようだった。
初っ端から技術の移転などは求められておらず、一人の働き手として、
その部署で働く人の一人としての働きが求められるようだった。
そして、部署には素晴らしい才能を持った人たちがいた。
働き始めてから、ちょくちょく雇用や解雇の話を聞いていた。
技術部でなく、人事部やあちこちたくさんの部署で。
ボリビアではよくある事と聞かされていたが、その中に知り合いは
一人もいなかったので、あまりピンときていなかった。
ところが、今年始め、活動が始まってから8ヶ月が経ち、
カウンターパートが来なくなった。隣の席の同僚に聞くと「辞めた」と。
私は知らされていなかったが、辞める際は、2週間前ぐらいに言うらしい。
重要なポジションでなければ1日2日前でもいいらしい。
初めての知り合いの、しかもカウンターパートの退職。動揺した。
しかし、次にカウンターパートになったのは、私がとても優秀だと
感じていた同い年の同僚。人望、性格、能力すべて申し分なく、
部署のトップになるのではないかと思っていた。
そんな折、国立統計院のトップが変わり、それに伴った大量退職が始まった。
トップが変わると、各部署のトップもほぼ入れ替わるらしい。
まるで野球の監督が変わったらコーチも総入れ替えのような感じ。
前のカウンターパートはきっとそれを予期していて、先に辞めたのだろう。
約9ヶ月間、技術部のトップは不在だった。上層部が決められなかったから。
カウンターパートが適任だと誰もが思っており、本人もやる気はあったようだが、
最後までトップ代理だった。
カウンターパートは10月に辞めた。部署トップにはなれないと悟ったのだろう。
他の同僚が新たなカウンターパートとなったが、既にカウンターパートとして
機能はしておらず、ただの同僚だった。
統計院のトップが変わってからたくさん辞め、たくさん雇用された。
そして、11月終わり、部署に新たなトップがやってきた。そして再び、
履歴書のような物の提出を求められた。仕切り直し、らしい。
しかし、小さな仕事以外の、具体的な長期プランの仕事の申し入れはなく、
現在まで至る。12月は様子見のような時期なのか、もう何も無いのか。
ついこの間までアルバイトで3ヶ月ほど雇われていた2人がいた。
おもに雑用係で、PCの掃除などをやっていた。通常ならフルで使われるのだが、
例えば他の部署が忙しくて掃除をさせてもらえなかったら、一日中PCの前で
座っているだけで終わっていた。時間を潰すだけ。そんな折り合いの
つかない日が多分1/3はあったと思う。
長年働いている人もそれなりにいる。20年、30年同じように働いている人。
それらの人は部署のトップにはなれない。それもと、トップに
なりたくない人が残っているのだろうか。
なんだかとんでもない物を見せられてる気がする。
そしてそれでも何とかなるのだと。
少なくともこれまでは。
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